透析治療を行っていく上で食事の管理はとても大事な要素です。
食事管理のポイントとして、水分・塩分の制限、カリウム・リンの制限が挙げられます。

水分・塩分の制限

腎不全になると尿を生成できないため体に水分がたまってしまいます。その為水分を過剰摂取してしまうと、体重増加やむくみ、呼吸困難などの症状が現れます。
その結果高血圧、心不全、肺水腫などが生じます。
また、塩分の過剰摂取も体重増加やむくみにつながります。塩分を取ることで喉が渇き飲水することで体重が増加します。
透析患者さんの塩分摂取量の目安として6g/日未満となっています。

塩分制限のコツとしては、まず、
■みそ汁、めん類(ラーメン、うどん、そば)のつゆを飲まない様にすること!
■漬物類は食べないようにすること!
■加工食品は使わない!

この3つを行うだけで良いのです。

みそ汁は1杯あたり食塩1.2ℊ入っていると言われています。水の量を増やして薄味にする方法もいいですが、薄味にはせずみそ汁の量をいつもの半分にするという方法もあります。
また、食塩の多い料理を1品にし、食塩の多い料理を1~2品組み合わせるなどメリハリのついた献立にするなどの工夫をすることで減塩することができます。

カリウム・リンの制限

カリウムは体液の浸透圧の維持、酸・塩基平衡の調節、血圧の調節、神経や筋肉の興奮伝導などに関与する電解質です。
透析患者さんは腎不全のため腎臓からの排泄が低下し、血清カリウム値が上昇して高カリウム血症をおこし、手足のしびれ、脱力感、胸痛、不整脈、最悪の場合心停止に至ります。
血清カリウム値が5.5mEq/L以上を高カリウム血症といいます。
「慢性腎臓病に対する食事療法基準(2014年版)」には、血液透析患者のカリウム摂取は1日2000mg以下にするよう示されています。

カリウムが多く含まれる食べ物は、
果物、野菜、いも類、乾物、きのこ類、豆類、海藻類

などが挙げられます。

リンは骨や筋肉を作るのに大事なミネラルでたんぱく質1g当たり約15㎎含まれていると考えられています。
リンの値が上がると関節、血管に石灰化がおこり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。さらに、二次性副甲状腺機能亢進症も引き起こすこともあります。
反対にリンの値が低いと食事摂取量の不足などが考えられます。(血清リン値の基準値は3.5~6.0mg/dLとされています。)
高リン血症の治療はリンの摂取量制限と、十分な透析によりリンを体外へ排泄し、リン吸着薬で腸管からのリン吸収量を抑えることが推奨されています。

リンが多く含まれる食べ物は、

乳製品、卵黄、肉類(魚肉加工品)、魚類(骨ごと食べる小魚)、豆類
などが挙げられます。

エネルギーとたんぱく質

ここまで制限のことばかりでしたが、適切なエネルギーとたんぱく質を摂る事もとても大切です。
透析患者さんのエネルギー摂取量の基準は30~35kcal/kgBW/日とされています。
エネルギー摂取量は患者さん個々で差がありますが、目標体重を設定し、その体重を維持するため、必要なエネルギーを摂取することは重要です。

適切なエネルギーを摂取するとともに良質なたんぱく質を摂取することも大事です。
たんぱく質を多く含む食品には、リンやカリウムも含まれているため、過度なたんぱく質摂取は避ける必要があります。しかし、たんぱく質の摂取を制限し、エネルギー摂取量も不足してしまうと低栄養状態を引き起こす可能性があります。

食事療法において食べてはいけないものはありません。

適量かつ、味付けの工夫を行うことでリンやカリウム、塩分の多いものでも取り入れることはできます。

1日3食均等な量でバランスの良い食事をとりましょう。